リーダーとしてのプレッシャーにどう向き合うか
組織やチームのリーダーになると、意思決定の場面が格段に増えます。
日々、「これで本当に正しいのだろうか?」と迷うことも多くなり
自分の決断に自信が持てなくなる瞬間があるのではないでしょうか。
さらに、決断が誤っていた場合の「周りからの評価」を気にしてしまい、「だらしないリーダーだと思われたらどうしよう」とプレッシャーを感じることもあります。
こうした不安が積み重なると、次第に自分の意見や判断に確信が持てなくなり、結果的に決断を下すこと自体が難しくなる――そんな悪循環に陥ってしまいます。私自身、これまで同じような悩みを抱えた経験がありました。
しかし、そのときに出会ったのが、
安藤広大さんの著書『パーフェクトな意思決定〜決める瞬間の思考法〜』です。
この本の中で紹介されている「リーダーとしてのプレッシャーに向き合うための思考法」は、私にとって目から鱗の内容でした。
そこで今回は、この本から得た学びをもとに、リーダーが抱えがちなプレッシャーにどう向き合い、どう意思決定に自信を持てるようになるのかを解説していきます。
「プレッシャーで動けなくなる」「自信が持てない」といった課題を克服するヒントになれば幸いです。
次のセクションでは、具体的な思考法を一つずつご紹介していきます。
もっとも重要なのは「行動」
リーダーに求められるものはたくさんありますが、その中でも最も重要なのは
「行動すること」だと感じます。
このことを意識したきっかけは、安藤広大さんの言葉でした。
彼の考えに触れたとき、「あれこれ悩む前に動くことが、リーダーとしての第一歩なんだ」とハッとさせられました。
思い返せば、アップルのスティーブ・ジョブズも「行動」で時代を変えた一人ですよね。
彼は、iPhoneのような革新的な製品を生み出すために、誰も見たことがない未来を描き続けました。
その過程で、きっと周囲の批判や失敗もたくさん経験したはずです。
それでも「やってみなければわからない」という信念を持ち、
行動し続けた結果、私たちの生活を変える製品が誕生したのだと思います。
一方で、日本の企業が陥りがちなパターンは、「今あるものをちょっとずつ改良してお茶を濁す」こと。悪いわけではないのですが、大胆に新しい挑戦をする姿勢が足りず、いつの間にか時代に取り残されることも多いと感じます。この違いを見ていると、「リーダーは変化を恐れず、未来を見据えた行動を取るべきなんだな」と改めて思います。
安藤さんの「パーフェクトな意思決定」にはこう書かれています。
「ほとんどのものは賛否両論で構成されている」(P.49)
どんな選択をしても、必ず良い面と悪い面があり、どちらを選んでもに批判は避けられない――
そんな現実を淡々と語るこの言葉に、私は救われました。
きのこの山を選べば『硬くて噛めない!』『たけのこの里』を選べば、チョコが少ない・・・
どんな選択肢をしても批判する人は批判してくるのだ・・・
「正しい選択をしなければ」と重圧に押しつぶされそうだった自分が、「完璧な答えなんてない。まず動こう」と、少しずつ楽になったのを覚えています。
どんなに小さな一歩でも、動かないよりはずっと良い。その積み重ねが、チームや時代を変える力になるのだと思います。この考え方を知ってから、私自身の意思決定も少しずつ変わってきました。
次は、そんな「行動を起こすためのヒント」についてお話ししますね。
フィードバックを受け入れる
意思決定と宮﨑駿の映画制作に共通するもの
私はジブリが大好きで、その映画制作の裏側にも興味があります。
映画監督の宮﨑駿さんが映画を作り始める際、まずいくつものイメージを描くそうです。しかし、その中には映画にそぐわないものや、形にならないアイデアもあります。
宮﨑監督はそうした絵を捨ててしまうこともあるそうで、
私は「せっかくきれいな絵なのにもったいないなぁ」と思うことがあります。
さらに、動きのあるシーンを描くときには、納得がいくまでアニメーターが持ってきた絵を修正し続けます。
例えば、「この表情では感情が伝わりきらない」といった理由で、細部までこだわり抜いて正解の線を探し続けるのです。この過程を見ていると、「最初から正解なんて存在しないんだ」と強く感じます。
それだけではありません。
宮﨑監督ほどの人でさえ、プロデューサーの鈴木敏夫さんから映画のタイトル変更などのフィードバックを受けています。たとえば、『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』も、そのタイトルや内容について鈴木さんとのやり取りを重ねた結果、現在の形になったと言われています。
こうしたエピソードからもわかるように、素晴らしい映画は最初から一発で完成するものではありません。
たくさんの試行錯誤や、フィードバックの繰り返しを経て、ようやく形になるのです。
どんなに優れたリーダーでも、初めから正しい決断ができるわけではありません。失敗や周囲の意見を取り入れながら、少しずつ軌道修正していくことが、最終的に良い結果を生み出すのだと思います。
パーフェクトな意思決定をすると言うことは、間違えないことではなく
正解の線を見つけるために何度も描いてみることなのだ!
これが私が得た気づきです。
それにより意思決定の恐怖がかなり和らげることができるようになりました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
リーダーに求められるのは、完璧な決断ではなく、まず動き出し、試行錯誤し続ける姿勢です。行動することで、たとえ失敗があったとしても、それを次の成功への糧とすることができます。
重要なのは、自分自身やチームが進んでいる方向性を常に見直し、必要に応じて軌道修正すること。そして、周囲のフィードバックを前向きに受け入れることで、リーダーとしての判断力や視野を広げることです。
意思決定は、一度で完璧を目指すのではなく、時間をかけて正解の線を描き出すプロセスだと考えると、プレッシャーも軽減されるでしょう。完璧を追い求めすぎず、まずは行動を起こし、その一歩一歩を積み重ねていきましょう。
リーダーとしての成功は、最初から正しい選択をすることではなく
進む中でより良い選択肢を見つけ出す力 にあるのです。
あなたもぜひ、この思考法を取り入れて、プレッシャーを力に変えながら前進してみてください!
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