身体やこころに苦痛を抱える人を支援する医療職は
「共感疲労」
といわれるストレスを受けると言われています。
【共感疲労】
苦しんでいるクライエントに直面しているときに関連した
Boscarino, Figley & Adams 2004
短時間の疲労と外傷ストレス反応の経験
親身になって一生懸命にケアをしようと思えば思うほど、感情移入してしまい
当事者と同じようにストレスによる影響を受けてしまうというわけです。
オリンピックの試合を見ていて、転んだり投げられたりした選手を見た時
自分は経験していなくても「イタタタ・・・」と感じることありませんか?
辛い思い体験をしている患者さんによりそう医療職も
一生懸命関わっているほど
自分は体験していなくても「イタタタ・・・」と自分事のように感じてしまい
知らず知らずのうちにストレスを感じているのです。
つまり医療や福祉に関わるスタッフは
- 親身になってもなりすぎない、適度な距離感をとる
- ストレスをいなす能力である「レジリエンス」を高める
優秀で一生懸命なスタッフほど気をつける必要がありそうですね。
この「共感疲労」はバーンアウトとも関連しています。
【バーンアウト症候群(燃え尽き症候群)】
長期間にわたり人を援助する過程で、心的エネルギーが絶えず過度に要求された結果
極度の心身の疲労と感情の枯渇を主とする症候群。
精神心理学者のハーバート・フロイデンバーガーが1974年に初めて用いた。
その後社会心理学者のクリスティーナ・マスラークが下記の3つの症状を定義した。・情緒的消耗感:仕事を通じて情緒的に力を出し尽くし消耗してしまった状態
・脱人格化:クライエントに対する無常で、非人間的な対応
・個人的達成感の低下:ヒューマンサービス職務に関わる有能感、達成感の低下稲岡文昭:Burnout現象とBurnoutスケールについて.看護研究21(1998)
がんばりすぎると、
まるでエンジンがオーバーヒートしてしまうみたいに燃え尽きてしまうのです。
よき医療者として「がんばる」ことはとっても大事なのですが
「がんばりすぎないようにがんばる」
ことが、患者さんや自分自信のQOLを維持するために大切なのではないでしょうか?
では「がんばりすぎないことをがんばる」方法として
研究によると「セルフ・コンパッション」が有効であるとの報告があります。
「セルフ・コンパッション」は自分への思いやりを持つことです。
医療者は患者さんにエネルギーを与えているのようなものです。
自分のエネルギーが十分でなければ、患者さんを元気にはできません。
自分の「ストレス」を上手にいなし、自分の「エネルギー」をうまく調節するスキルを
高めることが良い医療の提供につながるのではないでしょうか?
【わかりやすく解説】マインドフル・セルフコンパッション入門【初めてのガイド】
一度しかない人生、ますますQOLを高めていきましょう!
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