あなたはうまくストレスに対処できていますか?
毎日の仕事でヘトヘトだよ。
家庭での家事・子育てに追われて大変。
人間関係疲れでボロボロだよ。
ほとんどの人がストレスに悩んでいるでしょう。
このストレスの対処法として注目されているのが「マインドフルネス」です。
が、
私の周りの医療者もそのほとんどがこの方法を知りません。
それ、めっちゃもったいないです!
うつ病、不安障害、慢性疼痛をはじめストレスが原因となるさまざまな疾患に
効果が実証されているだけけでなく
人生をさらに上手に乗り切るための武器になると思います。
でもストレスに悩んでいる時って
難しい本を読んだり、教室に習いにく気力が出ないですよね。
この記事では心と体の専門家の私が
- 日頃のストレスに上手に対処する方法を知りたいという方に
- マインドフルネスの「呼吸法」について
詳しく【図解】で、詳細にわかりやすく解説していきます。
マインドフルネスとは何かを理解しよう
マインドフルネスは英語のmind(心)+ full(〜みちている)+ness(状態)
の合成語で「心がいっぱいに満ちた状態」という意味です。
19世紀後半イギリス人の仏教学者TW Rhys Davidsがパーリ語の
“sati(気づき)”を翻訳したことが始まりです。
マインドフルネスの元ネタは「仏教」にあります。
紀元前7世紀〜5世紀(諸説あり)に釈迦が開いた「仏教」の
上座部仏教(テーラワーダ仏教)における
ヴィパッサナー瞑想(物事をありのままに見るための瞑想法)
そして日本の曹洞宗の開祖である道元の「禅」の教え
(曹洞宗は禅宗と呼ばれる座禅を組んで瞑想することを大切にする宗派の一つ)
要するに昔から仏教では「瞑想」をすることが修行の中核だったのです。
これら「瞑想」方法を
西洋科学的に解釈してストレス疾患の治療に応用的できないだろうか?
このように考えた
アメリカのマサチューセッツ大学のジョン・カバット・ジンが
1980年代に開発したのが
マインドフルネスストレス低減法という方法です。
仏教というとお葬式というイメージがあるかもしれません。
釈迦が仏教を開いた動機は
「人が老いたり、病気になる苦しみを消されへんやろか・・・」
その秘訣や方法の教えが本来の仏教なのです。
日本へ仏教が伝来する間に
さまざまな文化の影響を受け、形を変え現在の日本の仏教となっています。
少しイメージが違っている点に注意が必要です。
そもそも仏教は「人の生きる苦しみを低減させる」ための方法なので
仏教がストレス疾患の治療と相性が良さそうなのは想像できますね。
瞑想というと「え、宗教?やばくない?」とアレルギー症状が出るかもしれませんが
マインドフルネスストレス低減法というと宗教くささが消え取り入れやすいですね。
そもそも宗教ー哲学ー心理学は元を辿れば同じものなので
仏教と心理学の融合は当然の結果とも言えると思います。
ではそもそもどうして
瞑想がストレス低減になるのでしょうか?
「もっと勉強しておけばよかった・・・」
「試験に落ちたらどうしよう・・・」
私たちのココロは過去・未来のことばかり心配を
巡らすようにできています。
これは危険な動物に襲われないようにして命を守ろうとするために
進化してきた名残です。
しかし現代では余程のことがない限り命の危険を常に意識する必要はありません。
過去・未来のことばかり不安になる心の働きは「自動操縦」で行われているを
ので放っておくと人間は基本的に「ネガティブ」に考えてしまい
ストレス反応が生じてしまうのです。
いわば心ここにあらず状態です。
そこで瞑想によって「今、この時、この瞬間」に注意を向けることで
ネガティブな感情からココロを切り離し
ココロを「今」でたっぷりと満たしてあげるのです。
このことを「マインドフルネス」と呼びます。
「瞑想」がストレス低減に役に立つというわけです。
マインドフルネスストレス低減法は8週間のプログラムとなっていますが
最も重要な要素が「呼吸法」です。
この記事ではひとまずこの「呼吸法」をマスターすることに集中しましょう。
ではどのような呼吸が良いのでしょうか?
マインドフルネス最大のポイント「呼吸法」を理解しょう
今、この時、この瞬間」に注意を繋ぎ止める役割になるのが
「呼吸」です。
呼吸はほぼ無意識に行われていますが、意識的にもコントロールできる
部分です。
呼吸には2種類
「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があります。
「胸式呼吸」は100m走の後、肩で息をしているような状態です。
肋骨・肩・首についている筋肉を使います。
「腹式呼吸」はリラックスしたり赤ちゃんがしている呼吸状態です。
横隔膜を使う呼吸です。オペラ歌手が発声に使ったりもします。
マインドフルネスで用いるのは後者の「腹式呼吸」です。
横隔膜を使う呼吸なので
息を鼻から吸うとお腹が膨らみ
口からゆっくりと息を吐くとお腹が凹みます。
マインドフルネスの基本である「腹式呼吸」は
仰向けでも、椅子座位でもどちらもOK
椅子に座る場合は、背筋をまっすぐ伸ばし肩の力を抜いた姿勢にします。
目は閉じているか、一点をぼんやり見つめるようにします。
そして「腹式呼吸」を行い
呼吸の感覚に意識を集中させます。
お腹がゆっくりと凹んだり、膨らんだりしている感覚を味わいます。
ポイントは腹式呼吸をすることではなく
呼吸をしていることを「感じること」にあります。
「する」のではなく「感じる」ことに集中するのです。
呼吸している感覚に
呼吸の波に乗るようなイメージで集中し続けます。
ここがマインドフルネスの【ミソ】
呼吸に意識を集中させているとさまざまな雑念が湧いてきます。
「集中するのをやめたい」
「お腹減ったな」
雑念が浮かんだらそれを観察して、また呼吸に意識を戻します。
そうするとまた雑念が浮かんできます。
同じように雑念を観察し呼吸に意識を戻します。
ではどれくらいやれば良いのでしょうか?
マインドフルネスの大切なところは
毎日の習慣にすることです。
毎日15分
気がのっても、のらなくても1週間は続けることです。
マインドフルネスはその場しのぎの方法ではありません。
筋トレや運動のように心を養うものだと言えますね。
このように時間をとって行うことだけが
マインドフルネスではありません。
普段の生活の中でも
1日に何回か呼吸に意識を向け
浮かんでくる思考を観察する習慣をつけましょう。
静座瞑想にチャレンジしよう
呼吸法をマスターしたら
少しずつ時間を伸ばしていきます。
呼吸に注意を集中し続けると時間の概念が消えていくので
30分などあっという間の出来事に感じられるようになります。
ココロに浮かんでくる思いや考えを観察します。
下の図のようにいろいろな雑念が観察できると思います。
気をつけないと引き込まれて呼吸への注意が逸れてしまうので
再び呼吸に集中すること意識してください。
これは集中力が必要なので最初の段階で行うと良いと言われています。
あとはただ意識に入ってくる音、感覚、感情、考えをありのままに受け入れ
過ぎ去っていくのを眺めます。
マインドフルネスはストレス低減やリラクゼーションのために行いますが
「リラックスしなくちゃ・・・」
「ストレスを減らさなくちゃ・・・」
と思うほどにうまくできません。
やる気が起きなくても、効果を淡々と感じられなくても
続けることが大切です。
まるで自転車に乗ったり、ピアノが弾けるのと同じです。
まとめ
いかがでしたか?
この記事の「呼吸法」はマインドフルネス・ストレス低減法の基礎です。
これだけでも効果がありますが、
マインドフルネス・ストレス低減法は8週間のプログラムで
さまざまな技法を組みあわせて行います。
まず呼吸法をマスターしてみてくださいね!
マインドフルネスという言葉は難しそうですし
注意点やコツがたくさんありますが
一度「体感」してしまうと
まるで自転車に乗るように理解できるものです。
大切なのは「体感」することです。
僅かな時間が使いますが、お金も道具もいりませんからお得ですね!
ぜひ実践していただき
一度しかない人生ますますQOL上げていきましょう。
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