ひとくちに「自分」と言っても
色々な「自分」があります。
アクセプタンス・コミットメントセラピー(ACT)における
自己の解釈ってとっても難しいです
【ACT・アクト】アクセプタンス・コミットメントセラピー入門【徹底解説】ね。
- この記事では
- アクセプタンス・コミットメントセラピー(ACT)における「文脈としての自己」
- について詳しく解説していきます。
「概念化された自己」とは?
概念化された自己とは
「人が時間を超えて自分自身や自分の歴史に関して作り出す、
精巧に記述され評価された関係性のネットワーク」と定義されており、
一般的にアイデンティティと呼ばれているものです。
「俺はこういう人間だ!」ってやつですね。
【概念化された自己】
自己紹介をするときの自分
注意すべきは概念化された自己は
時として私たちの可能性を奪ってしま雨という点です
「どーせ、俺なんて運動オンチだから無理だよ」
「私はもう歳だからね」
アイデンテティは今までの経験や人からの評価によって形作られ
一貫性を強く保とうとしまうのです。
- 概念化された自己とは「俺はこういう人間だ」という感覚のこと。
- 概念化された自己は一貫性を保ちたがるので、修正しづらい
「プロセスとしての自己」とは?
プロセスとしての自己とは
自身を知ること、自己知識、進行中の自己意識と呼ばれています。
「あらやだ。私ったら」というときの私の部分です。
【プロセスとしての自己】
自分を実況中継している自分
普段無意識に行動している時は自分の存在に気づいていませんが
「ねぇ、今何考えてたの?」
「この味美味しいと思う?」
と質問されると
「あ、私って今こんなこと考えてたわ」と私が立ち現れます。
「おお〜っと、今私は太陽の眩しさを感じている」
「おお〜っと、今私はとっても眠い」
テレビの実況レポーターのように
プロセスとしての自己は
自分の行動パターンに気づき、それを修正させることに役立ちます。
- プロセスとしての自己とは、自分を実況中継する行動のこと。
- プロセスとしての自己は自分の行動を修正するときに役に立つ。
「文脈としての自己」とは?
文脈としての自己とは
視点としての自己、場としての自己、超越的な自己とも呼ばれます。
ACTにおいて
この文脈としての自己がとても大切です。
文脈としての自己とは、自分を眺めている自分の「視点」のことです。
【文脈としての自己】
自分を眺めている「視点」としての自己
ひとつの部屋をイメージしてみましょう。
あなたはその部屋の上から、監視カメラのように部屋の中をみています。
それはとっても不思議な部屋です。
その部屋には複数のドアがついています。右側のドアから人が来て、左のドアから人が出ていきました。
この部屋に色々な人が来ます。
礼儀正しい人、部屋の中を駆け巡る騒がしい子供など。
この部屋にやってくる様々な人はあなたの「考え」だと思ってください。
「どうせ無理だ」「やっても意味がない」そんな考えです。
「私はできる」そういうポジティブな考えはすぐに出て行ってしまいます。
この部屋の中のインテリアは
時々引っ越しをして入れ替わっています。
キラキラ光る宝石箱
ゴミが散乱していることもあります。
家のインテリアはあなたの「感情」や「体の感覚」です。あなたは監視カメラで
部屋を上から眺めているだけですから
出入りする人(考え)
変化するインテリア(感情や体の感覚)に影響を受けることはありません。
例えば「自分にはできない」という思考がやってきても
それを眺めている監視カメラである自分には影響を及ぼしません。自分のしたいことをするかしないかは
不思議な部屋のエクササイズ 三田村仰 立命館大学院総合心理学部 一部改変
監視カメラである自分が自由に決めて良いのです。
以上のような「監視カメラ」に当たるのが
文脈としての自己です。
いわば「意識」そのものと言えるでしょう。
この文脈としての自己に気付きやすいのがマインドフルネスです。
ACTではマインドフルネスを通じて「文脈としての自己」を促し
脱フュージョンを図るのですね。
- 文脈としての自己とは自分を見つめてる「視点(監視カメラ)」で「意識」そのもの。
- 文脈としての自己の存在がわかるとネガティブな思考や感情にとらわれなくなる。
- ACTでは文脈としての自己が大切。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ACTの概念は言葉が難解でややこしいですが
よくよく考えてみると納得できると思います。
「自分」とは一番身近な存在でありながら、
最も曖昧な存在と言えるかもしれません。
- 3つの「自己」の形を意識して「自分」を掘り下げてみよう!
- マインドフルネスを行って「文脈としての自己」を獲得してみよう!
この記事でも「文脈としての自己」について解説しています。合わせてどうぞ。
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