認知症が社会問題になっています。
現在日本で、認知症の患者さんがどれくらいいるかご存知ですか?
その数およそ600万人(2020年)
2025年には高齢者の5人に1人は認知症と言われています。
認知症自体を根本的に治療することは現代の医療では不可能です。
しかし、工夫次第でその「リスク」を軽減させることが可能であることが示唆されてきているのです。
- この記事では
- ①認知症とは何か?
- ②認知症を予防するための生活習慣
- この2点についてお伝えしていきます。
そもそも認知症って?
【認知症】
通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ
I CD-10
記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等、
多数の高次脳機能の障害からなる症候群
つまり認知症というのは一つの病気というよりは
さまざまな原因で脳の複雑な機能がうまく働いていない状態の総称と言えそうです。
その原因として頻度が高いのは以下の4つです。
- アルツハイマー型認知症
- 脳血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭葉変性症
脳は場所ごとに働きが違うので、具合が悪くなる場所によっても特徴が異なるのです。
認知症は慢性、進行性の疾患です。
つまり急に回復するのではなく、少しずつ悪化してしまうのです。
ここからわかることは
認知症は予防が第一です。
ではどのような要素を抑えることができるのでしょう?
認知症の発症には何が関わっているの?
認知症には発症の原因となる要素である「危険因子」と
認知症の発症を防ぐ「保護的因子」
にわかれます。
参考:Fratigltioni Lら(2004)
「危険因子」に挙げられるのは下記のものです。
- 遺伝子
- 喫煙
- 高血圧
- 脳機能障害
- 頭部外傷
- 糖尿病
- うつ
遺伝子は仕方がないとして
そのほかほとんどは「生活習慣病」と「ストレス」が原因であることがわかります。
Luchsinger JAら(2005)によると
高血圧、糖尿病、心疾患、喫煙に全てあてはまると認知症の発症が3.4倍に高まると報告して
います。
一方「保護的因子」を見ていきましょう
- 社会的ネットワークとサポート
- 社会的役割
- 趣味余暇活動
- 知的活動
- 運動
- 家事など
おっとこれらも「生活の仕方」が大きく関係していることがわかりますね!
では具体的にどのような生活を送ることを心がければ良いのでしょう?
①人間関係を豊かにしよう!
人間関係が豊かな人ほど認知症になりにくいという報告が多数あります。
・未婚者:1.9倍
・独居者:1.5倍
・友人や地域での交流がない:2倍
・家族や友人と毎日会う:0.61倍
・家族や友人と週1〜2会う:0.64倍
参考:小川敬之・竹田徳則「認知症の作業療法」ソーシャルインクルージョンを目指して
②余暇活動を増やそう!
・ダンスをよくする:0.24倍
・ボードゲームをする:0.26倍
・楽器の演奏:0.31倍
・読書:0.65倍
・旅行:0.48倍
・編み物:0.46倍
・園芸:0.58倍
・新聞:0.49倍
・散歩:0.73倍
無趣味です!という人は意外に多いようですが
ほんの少しでも趣味のレパートリーを増やしてみるのも効果がありそうです。
③「うつ」を防ごう!
このブログでもお伝えしているように、脳とストレスは大きく関係しています。
認知症を防ぐにはストレスに対処し「うつ」を防ぐことが大切です。
Geerling MIら(2008)の報告によると
60歳以前にうつがあると認知症発症リスクは3.7倍になると報告しています。
Johansson Lら(2013)スエーデン人女性を対象に行われた研究では、
若い時に受けた家庭問題などのストレスが認知症発症のリスクを高めることが報告されています。
つまり上手にストレスをコントロールし、発散することを知っていれば
認知症の発症にももしかすると役立つかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
下記の図はライフステージごとの認知症危険因子と保護因子です。
遺伝や教育歴はなかなか変えにくいかもしれません。
しかし認知症も生活習慣の問題だ!とわかれば
今から取り組めることがたくさんあるのではないでしょうか?
+は+を引き寄せる。
すなわち良い生活習慣が、更なる健康を呼び寄せ
認知症を遠ざけるのです。
せっかくの人生なのですから少しでも健康でいた方がいいですよね!
一度しかない人生、ますますQOL高めていきましょう。
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