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【ストレス対処法】認知行動療法を理解する【解説】

認知行動療法をご存知ですか?

認知行動療法はうつ病や不安障害などの精神障害に対する治療法として活用されています

精神疾患がないと使えないのかというわけでなく、認知行動療法は

さまざまな場面でのストレス対処法として活用できます

なぜなら認知行動療法は上手なストレス対処法を誰もが活用できるようにわかりやすくまとめたものだからです

この記事では

  • 毎日の生活で感じるストレスでお困りの方に
  • ストレスにうまく対処するための方法である「認知行動療法」の概要についてお伝えします
目次

ストレスは敵?味方?

認知行動療法の説明の前にストレスについて考えてみましょう

最初に大切なことはストレスは私たちにとって必要で役にたつものだということです

「いやいやストレスなんでいらないよ、勘弁してよ」

と思いますよね?私もストレスO(ゼロ)の生活をしたいと考えていました

仕事が忙しかったり、家事育児で忙しかったり、人間関係で悩んでいたりストレスが肩にのしかかってすぐさま取り去りたいと思いますよね

ストレスを避けようとするほど、不安・落ち込みを感じやすい

ストレスは人を賢くし、成功へと導く

ストレスは「減らそう、避けよう」としないでストレスを「受け入れる」こと

ケリー・マクゴ二ガル著 『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』日経BP社 より抜粋

それとは逆でストレスは、私たちに有益なものなのです

なぜならストレス反応とは、外敵が襲ってきた時に素早く戦ったり、逃げたりする体の状態を作る体の生体反応だからです

心臓をドキドキさせ、手に汗を握ることですぐに走ったり、木の登って逃げることができるのです

ストレス反応が起きることで私たちの身体や脳はパフォーマンスを発揮できるわけです!いわば車のエンジンの回転数を上げるようなものでしょうか

しかしこの状態をずっと続けると、体も心もオーバーヒートしてしまいます・・・ここが問題なのです

ストレス反応の鍵となるのがコルチゾルというホルモンです

脳がストレスを感じるとその情報が副腎皮質というところに伝わりコルチゾルが全身に放出され、それによって体のパフォーマンスが高まるのです

しかしコルチゾルがずっと出続けることによって逆に体に悪影響が出てしまいます

このストレスは病気の引き金になったりネガティブなものが取り立たされていますが、ストレスとは本来上手に活用すべきものと考えることもできると思います

ストレス対処法とは単純にストレスをOにするという意味ではなく、ストレスを上手にコントロールして人生で成し遂げたいことを達成するためにストレスを活用できるようになろうということです

  • ストレスはO(ゼロ)にするものではなく、自分のパフォーマンスを高めてくれる仕組みだと考える
  • そのためにストレスを上手に調節することが「ストレス対処法」である

認知行動療法とは「認知」と「行動」を見直す方法

認知行動療法とはその名の通り

「認知」「行動」を見直す方法です

認知と行動を見直すことが、どうしてストレス対処法になるのでしょう?

まず「認知」とは何かを考えてみましょう

私たちが何かを見れば、それが何なのかを認識します

例えば散歩をしていると、ふと道端に銀色の何かが光っているのに気づきました

「おっ、100円落ちてるやん。ラッキー。ドキドキ」と思って喜んで拾ったら

「なんや・・・ゲーセンのメダルやん・・・残念、しゅん」

このように「銀色の何か」を100円玉やゲーセンのメダルかというふうに認識したり判断したり解釈する心の働きのことを「認知」というのです

私たちの脳は目で見た物体を、過去の自分の記憶と照合し、それが何か、それがどんな意味があるのかと判断しているのです

ではこの「認知」を見直すことがなぜ、ストレス対処法になるのか考えてみましょう

例えば夜、駅から自宅までの人通りの少ない道を歩いている場面を想像してみてください

すると、コツコツと足音が後ろから急に近づいてきました

「うぁぁぁ、も、もしかして強盗?」と認知すると恐怖の感情が湧いてきて、心臓がドキドキします

しかし

「この足音はきっと彼だわ・・・」と認知すると喜びの感情が湧いてきて、心臓はゆっくりになります

このように「認知」は感情や身体に影響します

  • 物事を正しく認知できれば、感情や身体に良い影響を与えるので、それがストレス対処法となる

落ち込みが落ち込みを呼ぶ

しかしこれとは逆に、その時の感情によっても認知は影響を受けます

宝くじに当たって「嬉しい」時は世の中が「薔薇色」に見えますが、当選番号が間違っていて「悲しい」時には世の中が「真っ暗」に見えるようなものです

人間には落ち込んでいる時物事を否定的に認知してしまう特性があると言われており

  1. 自分自身に対して否定的になる(自分はダメな人間だ、自分には価値がない)
  2. 周囲との関係に否定的になる(周りの人から私は嫌われている)
  3. 将来に対して否定的になる(これから先良いことなど起こるはずがない)

これらを認知行動療法の創始者であるアーロン・ベックは「否定的認知の3徴」と言っています

落ち込んでいる時は否定的な認知となり、余計に適切な解決行動が起こせず、自信を失って落ち込むという悪循環に陥っているのです

ネガティブな感情が、ネガティブな認知を引き起こし、ネガティブな認知がネガティブな行動と感情を引き起こし・・・・ぐるぐるぐる

このように落ち込んでいる時は、認知が歪んでいるため

正しくより現実を認知する必要があるというわけです

  • 認知を見直し、現実を正しく見ることで、負のループから抜け出そう

現実を正しく認知できるから適切な行動が取れるようになる

ここで大切なのは、認知行動療法とは単純に嫌な感情や考えに目をつむって

ポジティブシンキングで行こう♪という考え方を変える治療法ではありません

なぜなら楽観的に物事を認知するだけでは本当にヤバイ場合もあるからです

先程の例で、夜中に歩いていた時にコツコツ足音が聞こえたとします

「強盗?いやいや、きっと知り合いだ〜、大丈夫大丈夫〜♪」と楽観的に見ていたとしても本当に強盗かもしれません

きちんと走って逃げて交番に駆け込むなりの「行動」をとる必要があります

認知行動療法はストレスを引き起こす現実をを正しく認知することで、問題を解決するための効果的な「行動」が行えるようにする方法なのです

  • 正しく認知をして問題を解決するための効果的な行動がとれることで、ストレスをうまくコントロールを人生の目標に上手に活用できるようになることが認知行動療法の目的です

まとめ:認知行動療法は心の操縦術

いかがだったでしょうか?

落ち込んだ時の嫌な感情はすぐに消し去りたいと思いますよね

しかしそれは不可能です

嫌な感情は消し去ろうと抵抗するほど苦しみを生みます

なぜなら感情は私たちに様々な問題に気づかせてくれるアラームのようなものだからです(火災報知器が作動していても無視していると大変なことになりますよね)

嫌な感情そのものは一旦そばに置いておき

現実を正しく認識し、適切な行動を起こせるようにする

このように「認知」「行動」を自分で見つめ直し、ストレスを上手にいなす力を養うことで、単なる嫌な感情を、自分の成長の種に変えるのが認知行動療法だと思います

認知行動療法には専門家がしっかりとした枠組みで時間をかけて行う定型的認知行動療法というものがありますが

より簡便な形で行える簡易型認知行動療法が開発され、医療の分野のみならず教育などの分野でも効果があることがわかっています

お箸の使いかたや、自転車の乗り方は子供の時に習いますが、自分の心の扱い方は学ぶ機会が少ないように思います

認知行動療法をはじめとする心理療法、つまり自分の心の操縦術を学びストレスを味方につければ、さらにますます自分らしい人生を歩むことに役立つのではないでしょうか?

ぜひ実践していただき、一度しかない人生QOL上げていきましょう!

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この記事を書いた人

■作業の視点で安寧と幸福を促進するOccupational Therapist
■QOL(Quality of Life)向上のための知識を網羅的にまとめることで、生きとし生けるもの全てが幸せになるお手伝いができれば嬉しいです

このブログが私たちの今を輝かせ、人生のQOLを高めるお役に立れば幸せ!そういう気持ちでブログを書いています。

あなたの人生がますます輝き幸せに溢れますように!

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