人生は波あり谷あり。
嬉しいことも多いですが、辛い経験も多いですよね。
辛い感情を経験した時、それに飲み込まれて
どうしたらいいのかわからなくなってしまうことはありませんか?
そんな荒波に飲み込まれず人生という海を進んでいくために
「マインドフルネス・セルフ・コンパッション」が役に立ちます。
マインドフルネス・セルフ・コンパッションとは
このような心のしなやかさを高めるための心理療法の一つです。
超ざっくり説明すると
「自分をもっと大切に、優しくしながら今を生きていこうぜ!」という方法です。
この記事では
マインドフルネス・セルフ・コンパッションの方法論を中心に
辛い感情への上手な向き合い方についてわかりやすく説明します。
辛い感情は娯楽のようなもの
そもそも感情とは何でしょう?
恐怖や不安といったネガティブな感情は
「ここで敵に襲われたらどうしよう」
と危険を避けて、生き延びるために人間にとって必要な機能だったのです。
なのでネガティブな感情自体を消し去ることはできません。
しかし昔と比べると危険が少ない
現代社会ではこれらネガテイブな感情の意味が形骸化しているのです。
「ホラー映画」「失恋映画」
わざわざネガティブな感情を想起する映画を見て楽しむ文化があるように
ネガティブな感情はもはや娯楽として扱うべきだ。
そう機能脳科学者の苫米地博士は言っているくらいです。
確かにもし感情が全くない人生だったらどうでしょうか?
無味無臭な人生もつまらないですよね。
ネガティブな感情もポジティブな感情も全て
「自分の人生を彩る娯楽のようなもの」
そう思うとネガティブな感情へのイメージが少し変わるのではないでしょうか?
ネガティブな感情を受け入れる段階とは?
とはいっても
落ち込んでいる時にそんなふうに考えられないですよね。
辛い感情に向き合うには、感情を受容する5つの段階があるというのです。
- 抵抗する:うぅ〜この辛い気持ちが消えてくれ!
- 探索する:こんなに私を辛くさせるのは何?
- 耐える:うーむ。辛いけどなんとかやっていこう
- 許す:まあ辛いけど、大丈夫。
- 親しくなる:この経験からこんなことが学べるようになった。
最初は辛い気持ちでいっぱいになっても
少しずつ気持ちを受け入れ、それに意味づけができるように変化していくのです。
これが上手な感情の扱い方と言えます。
とはいえ本当に辛くて辛くて仕方がない時・・・
もう少しその影響を和らげることはできないのでしょうか?
もっと具体的な対処法
マインドフルネス・セルフ・コンパッションの方法では
苦痛を消そうとすればするほど大きくなるものと考えます。
ネガティブな感情はあなたに異常を知らせてくれるアラームです。
その警報を無視すれば
「なんで気づいてくれへんねん!」と逆に大きくなるのです。
なんのアラームかしら・・・誤報かしら・・・
何を私に教えてくれているのかしら・・・
そのようにありのままにその声を受け入れ、対応することで
アラームの音は小さくなります。
マインドフルネス・セルフ・コンパンションでは
以下の方法でネガティブ感情と向き合うことを推奨しています。
- 感情にラベルをつける
- 体にある感情に気づく
- 和らぎ、なだめ、許す
1:感情にラベルをつける
ラベルをつけるというのは「名前をつける」ということです。
猫に「タマ」とつけるようなものです。
「名前をつける」ことによって扁桃体の活動が減り
自分の感情を少し離れてみることができるからです。
「おっと・・・これは怒りだ」
「今度は・・・これは恐怖だ」
「あれれ・・・これは嫉妬だわ」
湧き上がる感情にそっと名前をつけてみましょう。
2:体にある感情に気づく
腹が立つ。
なぜ怒るのに「お腹」が出てくるのでしょう。
それは感情と身体はとても関係しているからです。
怒りを感じた時、身体は闘争する準備に入り、腹部の周辺が緊張します。
このように体に起きている反応に気づくことで
自分自信の感情の状態に気付きやすくなり
ネガティブな感情から一歩離れることができるのです。
お腹がグッと緊張して、胸がドキドキしているぞ・・・
ネガティブな感情がどのように体に影響しているか
そっと確かめてみましょう。
3:安らぎ、なだめ、許す
ネガティブな感情の本質は
体が私たちに示す「気づいて!対処して!」というアラームです。
それらを無視したり、抵抗することで余計に苦しみが増え
それらを理解し、受け入れ、許すことでアラームは鳴り止みます。
アラームさん。あなたの声はよーくわかっているわ。
ありがとうねとなだめて許してあげる必要があります。
そしてそのアラームの教えてくれたことを
役に立てるのが正しい感情の扱い方と言えます。
〜安らぐ〜
感情の角を丸くするように体をゆっくりとストレッチをし
心の中で「リラックス」と唱える。
〜なだめる〜
緊張しているところに優しくふれ、手の熱を伝える
自分が欠けて欲しい優しい言葉を自分にかけてあげる
「辛かったね。あなたならきっと大丈夫」
〜許す〜
その感情を消し去りたいという気持ちもひっくるめて
この一瞬だけで構わないので、ありのままに受け入れる
このようにすると
ネガティブな感情は完全には消え去りませんが
すぐ目の前にいた感情が、少し遠ざかりスペースができたような気持ちに
なりませんか?
まとめ
いかがでしたか?
辛い感情って本当にどうにかしたいと思っていたのに
受け入れろだなんて・・・
ネガティブな感情を受け入れる。
この「ありのまま」というのが難しいところですよね。
しかしさまざまな感情を感じているというのは
まさにあなたが今生きている証拠でもあります。
無理をせずあなたのペースで
自分の感情をありのままに観察し、味わってみてくださいね。
ネガティブな感情は消えないかも知れませんが
ほどほどの距離感になり、お付き合いしやすくなるのを感じられるはずです。
一度しかない人生、ますますQOLを上げていきましょう。
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